脳神経外科ジャーナル
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Carotid Blowout Syndromeに対する血管内治療
足立 明彦小林 英一渡邉 義之米山サーネキー 智子早坂 典弘鈴木 誉岡本 美孝佐伯 直勝
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2011 年 20 巻 8 号 p. 597-603

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抄録
CBS(carotid blowout syndrome)は,頭頚部腫瘍に対する放射線治療後に,遅発性に動脈破裂をきたす致死的疾患として知られている.今回,放射線治療後36年および2年を経て大量出血で発症し,血管内治療で良好な結果が得られた2例を報告する.1例目は,瘤内塞栓をしたものの,2週間後に再出血し,母動脈を閉塞した.2例目は,虚血耐性を確認できたため,同様にtrappingにて止血を得た.大量出血で発症するCBSは緊急の止血処置を要する.将来的には膜付きステントに期待が寄せられるが,現時点では閉塞試験が不可能な際にも,救命目的に母動脈閉塞を要する場面は少なくない.その際,照射野を外してのendovascular trappingは永続的止血を得る確実な方法であり,有効と考えられた.
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© 2011 日本脳神経外科コングレス

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