抄録
現在の若手脳神経外科医は,低侵襲な代替治療の発展や厳しい社会の目もあり,自分たちの指導者たちが直接経験したよりも少ないcase volumeで,より高度な手術を追求しなければいけない矛盾と苦境に立つ.徹底したマイクロ練習は,技術伝承過程におけるtechnical errorを減らし,指導者の指示と寸分違わぬ操作を通して,治療成績を下げずに若手術者の手術経験を可能とし,かつ手術技量のlearning curveを急峻にする.経験年数が上がるにつれ,自身の判断で手術を行うようになると,精神的に非常にストレスがかかる局面に耐えかつ手術を続けるprofessionalismが必要になる.研修医から専門医前後の脳神経外科医として,若い時期の夜間緊急手術や重症患者の術前後管理などの多忙かつ過酷な業務も,懸命に取り組めば,そのprofessionalismの育成に役立つと思われる.