脳神経外科ジャーナル
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特集 ステップアップの手術手技
脳動脈瘤の剥離
帯包 雄次郎波出石 弘
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2012 年 21 巻 12 号 p. 918-924

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抄録
 脳動脈瘤は大きくなると周辺組織との癒着が生じる. 適切なクリッピングのために周辺組織との癒着の解除は重要な手技である. 動脈瘤と癒着する組織として, 主幹動脈, 穿通枝, 静脈, 硬膜, 脳組織, 血腫がある. 特に問題なのは血管との線維性癒着である. この線維性癒着は辺縁で強く, 中心部で緩いという特徴をもつ. その特徴を最大限に生かして癒着の解除は行う. その他の組織との癒着でも周囲の血管, 脳神経の確認のために瘤の剥離が必要とされる. 吸引管や脳ベラで適切な牽引をし, 正しい面を剥離することが重要であるが, 場合により動脈瘤自体を牽引したり, 脳組織や血腫を破裂部位に付着させたままにすることで安全な剥離ができる.
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© 2012 日本脳神経外科コングレス

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