抄録
Medial sphenoid wing meningiomaは, 腫瘍の増大とともにWillis動脈輪とその穿通枝, 視神経, テント切痕によって囲まれた各compartmentを形成する. 本腫瘍を術中所見にて確認された付着部位で分類すると, 各typeによってこのcompartment formationにはそれぞれ特徴があり, 特に腫瘍のinfra-Willis portionが頭蓋底への付着を形成する場合には, より複雑なcompartmentを形成することが多いため手術が難しくなる. 今回本腫瘍の新たな分類を提示し, それぞれの特徴, 治療成績について検討した. さらなる手術成績の向上のためには, 前述したcompartment formationの概念を正しく理解し, 腫瘍が進入した経路を逆行するように切除することが穿通枝温存に重要であることを強調する.
