脳神経外科ジャーナル
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症例報告
腰痛で発症し, 腰部脊柱管狭窄症術後に急速に病状が進行したALSの1例
村田 大樹花北 順哉高橋 敏行北浜 義博倉石 慶太渡邊 水樹上坂 十四夫福井 伸行鈴木 洋司
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2012 年 21 巻 9 号 p. 731-735

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抄録

 Amyotrophic lateral sclerosis (ALS) の初期症状は多彩であり, その初期診断は困難であることが指摘されている.
 今回われわれは, 腰部脊柱管狭窄症と診断し手術加療を行ったが, 病状が進行し最終的にALSと診断された症例を経験した.
 症例は68歳男性. 腰痛を伴う歩行障害を主訴に来院. 画像上L4/5の椎間板ヘルニア, および脊柱管狭窄症を認めたため椎弓切除術を施行したが, 症状の改善を認めず, 術後から下肢の筋力低下, 筋萎縮, および呼吸障害が出現し急速に進行した. 最終診断はALSであり, 術後4カ月の経過で死亡された.
 今回, 本症例の経過を報告するとともに, 腰痛, 下肢症状を初発症状とするALSについての文献的考察, および手術, 麻酔操作がALSの自然経過に及ぼす影響につき考察を加えた.

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© 2012 日本脳神経外科コングレス
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