脳神経外科ジャーナル
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特集 頭部外傷治療の基本とトピックス
重症頭部外傷ガイドライン2013アップデート
前田 剛吉野 篤緒片山 容一
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2013 年 22 巻 11 号 p. 831-836

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抄録

 ガイドラインの理念は, 医療の質を一定の水準に保ち診療に資すことであり, そのためには, 診療・治療・管理のminimal essentialが求められ, 新たなエビデンスに対応して常に改訂することが不可欠である. 本ガイドラインは2000年に初版が発刊され, 2006年の第2版に続く改訂であり, 常に変化する日本の医療環境と神経外傷学の発展に対応してきた. 本項では第3版においてアップデートされた項を解説するとともに, 日本脳神経外傷学会の日本頭部外傷データバンクの結果から, 本ガイドラインが重症頭部外傷の治療に及ぼした影響と重症頭部外傷の治療・管理の現状を解説する. 急激な病態の変化に対応しなければならない重症頭部外傷では, 治療の選択が脳神経外科医の裁量に委ねられることが多い. 高度な裁量を遂行するためには判断能力を高めることが必要であり, その1つの方法として本ガイドラインを活用していただければ幸いである.

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© 2013 日本脳神経外科コングレス
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