脳神経外科ジャーナル
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特集 脊髄・脊椎外科の課題
低髄液圧症候群, 脳脊髄液減少症, 脳脊髄液漏出症
佐藤 慎哉嘉山 孝正
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2013 年 22 巻 6 号 p. 443-451

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抄録

 低髄液圧症候群は, 脳脊髄液の漏出により頭痛等を引き起こす疾患で, 70年以上も前にその疾患概念が提唱された. その後, その中に低髄液圧でない症例が存在するとの理由で脳脊髄液減少症の名称が提唱されたが, 臨床像に異なる点も多く, 疾病の定義が混乱している. さらに本症と交通外傷の因果関係が社会問題化している. このような状況のもと, 平成19年度から厚生労働科学研究費補助金を受けて「脳脊髄液減少症の診断・治療法の確立に関する研究」が行われ, 平成23年10月に脳脊髄液漏出症を対象にした画像判定および診断基準が公表された. 今回は, なぜ対象が脳脊髄液減少症ではなく脳脊髄液漏出症なのかも含め, 公表した基準について概説する.

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© 2013 日本脳神経外科コングレス
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