脳神経外科ジャーナル
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22 巻 , 6 号
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特集 脊髄・脊椎外科の課題
  • Christopher E. Wolfla
    2013 年 22 巻 6 号 p. 420-426
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/06/25
    ジャーナル フリー
      Craniocervical instability is a surgical disease that presents the treating surgeon with a complex combination of characteristics including spinal cord and brain stem compression, distorted anatomy, and difficult biomechanics. Treatment most often requires a combination of neural decompression, fusion, and instrumentation. Over the last several decades, a number of surgical techniques for instrumentation of the craniocervical junction have been developed that allow both greater flexibility and enhanced safety for patients with this condition. Development of an optimal craniocervical instrumentation construct requires careful consideration of preoperative and intraoperative goals, available options, and the applicability of each option for any given patient. Only when each of these things has been considered can the likelihood of a positive outcome be maximized.
  • 高安 正和
    2013 年 22 巻 6 号 p. 427-434
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/06/25
    ジャーナル フリー
     頭蓋頚椎移行部は延髄・上位頚髄・椎骨動脈などの重要な神経・血管組織を含み, 解剖学的・機能的に複雑であるため不安定性をきたしやすい. そこで手術戦略を考えるにあたっては特別な配慮が必要となる. 手術の目的としては除圧か固定かを明らかにし, また, アプローチの方向では後方, 前方, 側方のうち最適なものが選択され, 場合によりcombined approachも考慮される. ここでは, 頭蓋頚椎移行部手術の手術戦略について論じる.
  • 小柳 泉
    2013 年 22 巻 6 号 p. 435-442
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/06/25
    ジャーナル フリー
     頚椎変性疾患の外科治療は, 脳神経外科医が行う頻度の高い手術である. 本稿では, 頚椎前方椎間固定術と椎弓形成術の基本手技と合併症について, 自験例の分析とともに解説した. 前方固定術は, 1ないし2椎間のヘルニアや骨棘等の前方病変に対して最も適応がある. 前方アプローチで目印となる構造は, 胸鎖乳突筋, 肩甲舌骨筋, 総頚動脈, 食道, 頚長筋である. 骨棘はダイアモンドバーでのドリリング後に鋭匙を用いて慎重に除圧する. 椎間固定には自家腸骨が標準といえるが, チタンケージもほぼ同程度の骨癒合率を有する. 後方アプローチでは項靱帯, 僧帽筋, 頭板状筋, 頭半棘筋, 頚半棘筋, 多裂筋が目印となる構造である. 椎弓を開くための溝は椎間関節のすぐ内側に作成して脊椎管の十分な除圧を行う. 閉創では, 後方の軟部組織, 特に項靱帯と付着する筋の再構築が重要である. また, 手術合併症と術後経過中に起こり得る病態に関してよく知っておくことは頚椎変性疾患の治療に必須である.
  • 佐藤 慎哉, 嘉山 孝正
    2013 年 22 巻 6 号 p. 443-451
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/06/25
    ジャーナル フリー
     低髄液圧症候群は, 脳脊髄液の漏出により頭痛等を引き起こす疾患で, 70年以上も前にその疾患概念が提唱された. その後, その中に低髄液圧でない症例が存在するとの理由で脳脊髄液減少症の名称が提唱されたが, 臨床像に異なる点も多く, 疾病の定義が混乱している. さらに本症と交通外傷の因果関係が社会問題化している. このような状況のもと, 平成19年度から厚生労働科学研究費補助金を受けて「脳脊髄液減少症の診断・治療法の確立に関する研究」が行われ, 平成23年10月に脳脊髄液漏出症を対象にした画像判定および診断基準が公表された. 今回は, なぜ対象が脳脊髄液減少症ではなく脳脊髄液漏出症なのかも含め, 公表した基準について概説する.
  • 岩月 幸一
    2013 年 22 巻 6 号 p. 452-458
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/06/25
    ジャーナル フリー
     完全脊髄損傷慢性期に対する嗅粘膜移植法においては, 運動機能の部分的回復およびそれに伴う随意性の筋電図の出現が報告されている. しかし筋電図の出現は, 電気生理学的に皮質脊髄路の再構築を証明するものではない. われわれは完全脊髄損傷慢性期患者4名に対し本法を施行したが, 4例中2例において6カ月後より運動機能の改善がみられ, うち1例では装具を用いた立位保持や歩行器を用いた歩行が可能となった. 4名いずれの患者においても, 日常生活上何らかの運動機能改善がみられた. また1例において, 大脳運動野の経頭蓋磁気刺激により下肢筋において運動誘発電位が認められ, 錘体路の接続性を世界で初めて電気生理学的に明らかにした.
原著
  • 今田 裕尊, 勇木 清, 右田 圭介, 貞友 隆, 桑原 政志
    2013 年 22 巻 6 号 p. 459-466
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/06/25
    ジャーナル フリー
     Interhemispheric approach (IHA) において, 内側前頭回 (MFG) の形態を指標とした前交通動脈 (A-com) の位置の推定を試みた. MRI T1強調矢状断像の検討の結果, MFGを2分割する脳溝を頭蓋底に平行に終板方向に伸ばした延長線は, 鞍結節から終板傍回先端部方向に10mm前後の限局した位置を通過していた. 近似的に鞍結節と終板傍回先端部を結ぶ線上付近に前交通動脈は存在するとみなせば, 鞍結節から10mm前後に位置する前交通動脈はMFGを2分割する脳溝の頭蓋底に平行な術野深部への延長線上に存在すると推定され, 術中所見も同様の結果であった. これより, IHAにおいてMFGの形態を指標とし, 術前に測定した鞍結節から前交通動脈の距離に応じた前交通動脈の位置の推定はある程度可能であった.
  • 出雲 剛, 松尾 孝之, 林 健太郎, 堀江 信貴, 横山 博明, 永田 泉
    2013 年 22 巻 6 号 p. 467-473
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/06/25
    ジャーナル フリー
     前大脳動脈近位部 (A1) 動脈瘤は通常穿通枝分岐部より発生し, 開頭脳動脈瘤クリッピング術による治療難度の比較的高い病変である. 今回筆者が経験した6例について後方視的検討を加えた. 後方発育の割合が比較的多いこの部位の動脈瘤においては, 通常の脳血管撮影では動脈瘤が親血管に隠れ描出困難である場合が多く, その局在診断においては三次元回転血管造影法の有用性が示唆された. 開頭脳動脈瘤クリッピング術においては穿通枝の確実な同定と注意深いクリッピングにより穿通枝梗塞の合併回避が可能と考えられたが, 手術顕微鏡による形態学的評価のみでなく, 血流のリアルタイムイメージングであるインドシアニングリーン (ICG) を用いた術中蛍光血管撮影 (ICGA) が穿通枝温存および脳動脈瘤根治性の評価において本部位から発生した脳動脈瘤手術においては必須の検査であると考えられた. また, 術後のbrain shiftを念頭に置き, 動脈瘤頚部長に合ったブレード長のクリップの使用や有窓クリップの使用などが重要であることが示唆された.
症例報告
  • 阿部 純也, 高見 俊宏, 山縣 徹, 浦野 裕美子, 大畑 建治
    2013 年 22 巻 6 号 p. 475-480
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/06/25
    ジャーナル フリー
     転移性脊髄髄内腫瘍の治療方針は, 原発癌の進行度あるいは全身状態によって大きく左右される. 今回, 腎細胞癌からの転移性脊髄髄内腫瘍の2例を経験したが, ともに急速な神経症状悪化にて発症した. 手術適応の判断には苦慮したが, 症状緩和の目的で脊髄後外側溝到達法による髄内腫瘍摘出を行った. 2例ともに術後早期から神経症状の改善を認め, 画像診断での脊髄浮腫は著明に消退した. 生命予後が限られる転移性脊髄髄内腫瘍において急速な神経症状悪化を認めた場合には, 迅速な診断が望ましく, 腫瘍摘出は治療オプションとして考慮してもよいと思われた.
神経放射線診断
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