2013 年 22 巻 7 号 p. 504-509
医用画像技術はまさに日進月歩で進化している. CT, MRIには多種多様なシーケンスが存在し, そのほかにも脳血管撮影, 核医学検査, 最近では拡散テンソル画像やfunctional MRIなどの脳機能画像や, phase contrast MRIやflow dynamic simulationによる血流画像の発展も目覚ましい. これらの多種多様な画像情報を融合して三次元視覚化する試みが行われているが, その画像処理方法にはいまだ解決すべき課題も多い. 本報告では, われわれの施設における450例の融合三次元画像による脳神経外科手術シミュレーションの経験から, 臨床に有用な融合三次元画像を作成するための基本的知識, 原理, 実際の構築方法, および有用性と課題, 今後の展望について概説する.