抄録
Lateral suboccipital approachの基本的事項とそのvariationについて解説する. 体位は側臥位を基本とし, 患者にとって無理がなく, 術者が楽な姿勢で手術が行えるようにする. 皮膚を切開後, 後頚筋群を温存しながら胸鎖乳突筋は腹側へ, それよりも深部の筋群は一塊として尾背側へ翻転する. 小脳橋角部を3カ所, superior, middle, inferiorに分けて考え, 適切な部位に開頭する. Variationとして, 病変部位に応じて骨削除を頭側, 尾側, 尾腹側へ拡大することにより, 広くて浅い術野を確保することができる. 硬膜内操作は, 髄液循環, 視軸, 静脈温存を意識しながら行うことが重要である.