抄録
脳神経外科分野でのインドシアニングリーンを用いた術中撮影は, 脳動脈瘤クリッピング後の血流の評価のために用いられることが多い. インドシアニングリーンを用いた術中撮影法は, 手術用顕微鏡に組み込まれて以来, 時間がかからず安価で安全性が高く, 脳卒中外科において進歩してきた. しかしながら, 脳腫瘍外科におけるインドシアニングリーンを用いた術中撮影を評価した論文は少ない. 本稿では, インドシアニングリーンを用いた術中撮影の脳腫瘍外科への応用と有用性について文献をもとに述べる. 血管芽腫, グリオーマ, 髄膜腫に対しての使用例を紹介する. 脳腫瘍外科においても, 術野の血流をリアルタイムに確認することが可能となり, より安全に手術が行えるとされている.