抄録
コレステロール結晶塞栓症 (CCE) はカテーテル操作に伴う重篤な合併症である. CAS後に発生したCCEに関し, 発生率および予測因子に関して検討した. 2005~2013年にCASを施行した症例を対象とした. 35症例中, 術後に持続的な腎機能障害を認めたのは4例であった. うち1例は皮膚所見を伴いCCEと診断された. これら4例は術後有意にGFRが低く, 好酸球数が高かった. また胸部にshaggy aortaを認めた. 多変量解析の結果, 胸部shaggy aortaがCCEの危険因子であった. CASに合併するCCEはまれに経験されるため, 注意する必要がある.