脳神経外科ジャーナル
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特集 頭蓋頚椎移行部手術のための神経外科解剖 I
頭頚部外科医からみた頭蓋頚椎移行部手術のための神経外科解剖および基本手技
小川 徹也永原 國彦池田 篤彦西村 邦宏土屋 吉正岡本 啓希植田 広海
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2014 年 23 巻 2 号 p. 121-125

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抄録

 頭頚部外科医による翼口蓋窩や副咽頭間隙の手術手技は, 脳神経外科医が行う頭蓋頚椎移行部手術にとって有益と思われる.
 1) 前方から : さまざまな脈管, 神経, 筋肉が存在する. 顎動脈, 翼突静脈叢の盲目的な操作は止血に難渋する. 三叉神経損傷に注意する.
 2) 側方から : 外頚動脈, 耳下腺深葉, 三叉神経, 顔面神経, 内頚動静脈, IX~XII脳神経, 交感神経幹などが存在する. 下位脳神経の損傷は誤嚥・嗄声をきたす.
 3) 後方から : 重要な下位脳神経を温存し脳神経外科医との共同で手術を行うことも多い. 顔面神経の再建も考慮する.
 頭頚部外科医の視点から, 頭蓋頚椎移行部前方の近接部位に関連する手術操作について述べた.

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© 2014 日本脳神経外科コングレス
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