脳神経外科ジャーナル
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特集 脳神経外科手術における構造・機能解剖の可視化―1
脳・脊髄の穿通動脈の機能解剖—中枢神経系の分節構築の観点から—
小宮山 雅樹
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2015 年 24 巻 1 号 p. 4-11

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抄録
 中枢神経組織は, 前後軸に沿って, 分節性に神経分節 (neuromere) から形成されている. 脊髄は, 中胚葉性の体節 (somite) を中心に種に特有な数の脊髄分節からなるが, 菱脳は種に関係なく7~8個の菱脳分節 (rhombomere) からなる. 古典的な大脳の細胞構築 (cytoarchitecture) は, 個々の神経分節特有の遺伝子発現により規定される組織発生単位 (histogenetic unit) を基本に構築されていることが明らかになり, 血管構築もそれを基本に構築されていることが明らかになってきた.
 脊髄・脳幹・大脳レベルにおける動脈灌流のパターンは, 脊髄・脳幹では横断面において, 大脳では冠状断面において, 中心性の穿通動脈は, 腹側正中から一側性に末梢に向かうcentrifugal patternをとり, 末梢性の穿通動脈は, 背側・表面から中心に向かうcentripetal patternをとっている. このcentrifugal/centripetal patternsは個々のhistogenetic unitsの中で基本的血管構築と考えられる.
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© 2015 日本脳神経外科コングレス

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