脳神経外科ジャーナル
Online ISSN : 2187-3100
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ISSN-L : 0917-950X
特集 医療におけるビッグ・データの活用
大規模データを使った診療の見える化
—がんにおける経験から—
東 尚弘岩本 桃子中村 文明
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2015 年 24 巻 10 号 p. 672-675

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抄録

 がん医療の均てん化はがん対策の大きな課題である. そのためには医療の質の測定・把握が必要であるが, データ源として最も信頼の置ける診療録からの採録は作業負担への懸念から, 限界は許容しつつ院内がん登録とDPC (diagnosis-procedure combination) データをリンクしたデータによる指標の測定が始まった. 両データをリンクするためには病院内で共通の匿名番号をつける必要があるが, データの標準化も十分ではなく, さまざまな困難があった. 専用のソフトで作業を自動化し, ソフトも各種課題に対処して改良を重ねることで, 2012年症例では232施設からデータの収集が可能であった. 今後は, 参加病院のがん診療の質の向上と, がん対策の効果的推進の両方にこのデータを活用していく体制構築を行っていく.

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© 2015 日本脳神経外科コングレス
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