脳神経外科ジャーナル
Online ISSN : 2187-3100
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特集 医療におけるビッグ・データの活用
脳血管障害に対する医療の可視化
佐山 徹郎西村 中黒木 亮太西村 邦宏嘉田 晃子神谷 諭飯原 弘二J-ASPECT study group
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2015 年 24 巻 10 号 p. 684-692

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抄録

 近年, big dataの活用が注目されつつあり, 医療分野でも全国規模のレセプトデータやDPCデータの活用の取り組みが始まりつつある. 本研究では, 日本脳神経外科学会研修プログラムにおける研修施設および厚生労働科学研究補助金事業「J-ASPECT Study」参加施設の協力によりレセプトデータあるいはDPCデータを収集し, 脳神経外科疾患の治療を目的に入院した患者について, 入院から退院までの一貫した悉皆性を持ったデータベースを構築し, 脳血管障害をはじめとする脳外科疾患に対する治療のアウトカム, 施設集中度等を視覚的に明らかにした. 今回は, 脳血管障害の中から特にくも膜下出血, 未破裂脳動脈瘤, 内頚動脈狭窄症について, 前2者に対してはクリッピングとコイリング, 後1者に対しては, 頚動脈内膜剝離術と頚動脈ステント留置術という2つの治療法に対する日本の現状を明らかにした.

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© 2015 日本脳神経外科コングレス
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