脳神経外科ジャーナル
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特集 脳神経外科手術における構造・機能解剖の可視化―2
経鼻経蝶形骨洞手術におけるfusion画像
鰐渕 昌彦平野 透秋山 幸功三國 信啓
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2015 年 24 巻 2 号 p. 92-98

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抄録
 経鼻経蝶形骨洞手術では, 重要構造物を温存し, 合併症を回避するために, 鞍部・傍鞍部腫瘍と内頚動脈や視神経などの解剖学的関係を詳細に把握する必要がある. 当院ではこれらの腫瘍に対して, computed tomography (CT) とmagnetic resonance imaging (MRI) を使用し, 互いの画像をfusionしている. 画像は院内併設の画像処理部門である3Dラボで, 専門的知識を持った放射線部の診療放射線技師が作成し, volume rendering (VR) とvirtual endoscopy (VE) 画像を画像配信システム (PACS) へuploadしている. CT/MRI fusion画像により, 腫瘍と周囲の解剖構造物の関係が明瞭に同定され, VR, VE画像は手術計画の立案や仮想手術を行ううえで有用であった. また, fusion画像はどのPACSからでも閲覧可能なので, 患者への病状説明や医学教育という面でも有用であった.
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© 2015 日本脳神経外科コングレス

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