抄録
先端巨大症の治療の第一選択は手術である. 治癒率向上のためには手術成績を向上させることが最も大切である. しかし, 海綿静脈洞浸潤を伴う腺腫では手術のみで根治は困難である. 手術で治癒できない場合には薬物療法が必要である.
手術療法は経鼻的下垂体手術が基本的治療法であり, 内視鏡下手術も顕微鏡下併用, 内視鏡単独含めて一般的になりつつある. 一般に先端巨大症の手術治癒率はおよそ70%前後である. 手術により治癒できない症例では, 薬物療法が行われる. 薬物療法はsomatostatin analogが主流で, わが国では現在2剤が使われておりIGF-I正常化率はおよそ50~70%とされる. そのほかにdopamine agonistやGH receptor antagonistが用いられる. Dopamine agonistは内服薬であるが有効率は低い. GH receptor antagonistは, 有効率は70~90%と高いが副作用も多い. これらの薬物を併用することにより, IGF-I正常化率を高めることができる. 放射線治療は主に定位的放射線治療が行われるが, IGF-I正常化率は60~70%とされ, 正常化まで数年かかる. 今回は手術療法のトピックス, 薬物併用療法を中心に述べる.