2016 年 25 巻 1 号 p. 4-14
近年の多施設共同前向き研究によって, 未破裂脳動脈瘤の自然予後が明らかになるとともに, 日本人の高い破裂率が立証された. 臨床現場では患者の予後改善のために, これら最新のデータを踏まえた治療介入判断が必要であるが, 一方で個々の症例に特有の種々の問題があり, 臨床医には総合的な「判断と行動」が求められる. また, 大規模研究データに基づいた事前介入のみでは国内SAH総数を大幅削減することは困難であり, 単純に「みつけて治す」だけでない, 新たな診断・治療概念の登場を待たなくてはならない.