2016 年 25 巻 10 号 p. 813-819
わが国においては2010年にメルシーリトリーバーの認可とともに血栓回収療法が始まった. その後, 血管再開通能の高いステントリトリーバーが導入され, 新たな5つのランダム化比較試験によってエビデンスが確立した. 今後も新たなデバイスの開発と導入が続き, 治療成績はさらに改善されることが予想されるが, 一方で, 本治療の普及における地域格差などの問題もある.
本稿では急性期血栓回収療法のエビデンス確立後のガイドラインの改訂とわが国の現状, さらにはその実施における問題点について考察する.