脳神経外科ジャーナル
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特集 虚血性脳血管障害
閉塞性脳血管障害に対するSTA-MCA bypass術の変遷
大里 俊明渡部 寿一進藤 孝一郎大熊 理弘本庄 華織杉尾 啓徳麓 健太朗上山 憲司中村 博彦
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2016 年 25 巻 10 号 p. 820-826

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抄録

 STA-MCA bypass術は主幹動脈閉塞性脳血管障害の再発予防を目的として現在広く行われている. しかし歴史的にbypass術に対する否定的な研究が発表された経緯があり, 同手術の有効性を証明すべく本邦で行われたJapanese EC-IC bypass Trial (JET study) によりその優位性が証明されるに至った. その後再びbypass術が否定されたCarotid Occlusion Surgery Study (COSS) が発表され, 現在もその検証が進んでいる. 今後JETとCOSSの結果の乖離を解明すべく周術期合併症を含めた本邦でのreal world resultsを発表していくことが必要と思われる. さらに急性期bypass術, 再生医療との協力などSTA-MCA bypass術の将来の可能性も期待される.

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© 2016 日本脳神経外科コングレス
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