脳神経外科ジャーナル
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特集 虚血性脳血管障害
もやもや病の治療戦略
藤村 幹冨永 悌二
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ジャーナル オープンアクセス

2016 年 25 巻 10 号 p. 844-850

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抄録

 頭蓋外内血行再建術は脳虚血症状を有するもやもや病に対する有効な治療法である. 直接血行再建術による術直後から脳血流改善に加え, 間接血行再建術により慢性期血管新生誘導が期待できる. 鈴木分類で示される本疾患の基礎病態, すなわち内頚動脈系から外頚動脈系への緩やかな血流依存の変換 (IC-EC conversion) といった本疾患に内蔵された生理的代償機構を達成・促進するうえでも, 頭蓋外内血行再建術は完成されたコンセプトを持つ治療法である. Japan Adult Moyamoya Trialの結果を受け, 本術式の適応は出血発症例にも拡大傾向にある. 周術期においては脳虚血や過灌流症候群などの合併症回避が重要である.

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© 2016 日本脳神経外科コングレス

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