脳神経外科ジャーナル
Online ISSN : 2187-3100
Print ISSN : 0917-950X
ISSN-L : 0917-950X
症例報告
診断にcine mode MRIが有用であった脊髄空洞症を合併した脊髄硬膜内くも膜囊胞の1例
松村 浩平戸井 宏行木下 景太安積 麻衣平井 聡松下 展久松原 俊二西村 広健宇野 昌明
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2016 年 25 巻 2 号 p. 170-176

詳細
抄録
 63歳, 男性. 進行する両下肢しびれと右下肢不全麻痺による歩行障害を主訴に来院した. 脊髄MRIにてTh4-5に脊髄空洞症を認め, cine mode MRIを施行したところTh5-6レベルに膜様構造物を認め, 脊髄空洞症を合併した脊髄くも膜囊胞と診断した. 手術はTh5-6レベルの椎弓切除を行い, くも膜囊胞を大きく開放した. 術後MRIでは空洞は速やかに縮小しており, 運動麻痺は軽快した. 本症例ではcine mode MRIを用いることにより硬膜内の膜様物を同定できたため, 脊髄くも膜囊胞の診断に至った. 脊髄空洞症の原因として脊髄くも膜囊胞を鑑別診断として念頭に置き, cine mode MRIはその診断に有用であると考えられる.
著者関連情報
© 2016 日本脳神経外科コングレス

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/deed.ja
前の記事
feedback
Top