脳神経外科ジャーナル
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症例報告
慢性硬膜下血腫の治療に難渋したフィブリノゲン構造異常症の1例
佐瀬 泰玄大塩 恒太郎伊藤 英道池田 哲也川口 公悠樹神野 崇生和久井 大輔吉田 泰之中山 博文田中 雄一郎
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2016 年 25 巻 2 号 p. 164-169

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抄録
 症例はフィブリノゲン構造異常症と胃癌を合併した60歳の男性. 両側慢性硬膜下血腫に対し計4回の穿頭術を施行した. 最終的に右の中硬膜動脈を液体塞栓物質で, 左をコイルで塞栓した. 後者はCTで再発がみられるも無症候で経過し, 胃癌による種性血管内凝固症候群で死亡した. 当初は無フィブリノゲン血症とされていたが治療の途上でフィブリノゲン構造異常症と判明し, 治療を複雑にした. 本例のような難治例でも液体塞栓物質による中硬膜動脈塞栓が有用である可能性がある.
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© 2016 日本脳神経外科コングレス

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