2016 年 25 巻 4 号 p. 319-329
潜在性二分脊椎は, 一般の脳神経外科医にとってなかなかなじみのない疾患である. 多様に分類されている本症について, 発生段階からそれらの病態や相違を理解することは, 神経学的諸症状や多臓器合併症との関連, また外科的治療においての要点を把握する重要な手がかりとなる. 本稿では当院で経験した代表的症例を, 可能なかぎり多く供覧し, 本症をどのような皮膚外表所見で疑うべきか, どのように処置・治療すべきかについて, 文献的考察を加えながら解説する.