抄録
2013年に英国で開催された第3回国際中枢神経胚細胞腫シンポジウムにおいて発案された中枢神経胚細胞腫の診断・治療に関するコンセンサスが, 国際的な専門家のパネルによって討論され, その結果が2015年にわが国で開催された第4回シンポジウムにおいて発表された. Delphi法により38コンセンサスに対して投票が行われ, 改良され, 最終的に34のコンセンサスが採用されている.
本稿ではそのパネルの1人である著者が, 採用されたコンセンサスの内容, 同意レベルについて, さらに不採用となった命題について解説を加える. 不採用命題のいくつかは宿題とされ, 2017年に米国で開催が予定されている第5回シンポジウムにおいて討議される予定である.