脳神経外科ジャーナル
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特集 ニューロサイエンスの展望(脳神経外科学へのメッセージ)
iPS細胞を用いたパーキンソン病治療に向けて
髙橋 淳
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2016 年 25 巻 6 号 p. 489-496

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抄録
 パーキンソン病は中脳黒質のドパミン神経細胞が進行性に脱落することにより, 手足の震えやこわばり, 運動低下などを生じる疾患である. パーキンソン病に対しては1980年代の後半から胎児中脳腹側細胞の移植が行われ一定の効果がみられているが, 倫理的問題に加え移植細胞の量的, 質的問題があり一般的な治療にはなっていない. これらの問題を解決するために幹細胞とりわけiPS細胞を用いた移植治療に期待が寄せられている. 分化誘導技術が発達し, ヒトiPS細胞から効率的に中脳ドパミン神経細胞が誘導できるようになった. さらにラットや霊長類モデルへの移植では行動改善が観察されており, 臨床での効果も期待される. 臨床応用に向けては, 腫瘍形成を起こさないための技術や評価基準の確立が必要であるが, 筆者らはセルソーティングを用いてドパミン神経前駆細胞を選別する方法を開発し, 有効かつ安全な移植ができることを明らかにした. 現在は臨床応用の準備を進めている.
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© 2016 日本脳神経外科コングレス

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