2016 年 26 巻 3 号 p. 195-199
スポーツ頭部外傷の最大の特徴は繰り返し受傷がまれでないことであり, 急性脳腫脹や慢性外傷性脳症などの問題につながると考えられている. 現場での判断やその後の対応については, 国際スポーツ脳振盪会議の共同声明や, アメリカ神経学アカデミーによるガイドラインなどのコンセンサスが形成されつつある. わが国では 「スポーツ頭部外傷における脳神経外科医の対応」 (神経外傷36 : 119-128, 2013) がこれに相当し, すべての脳神経外科医が内容に精通する必要がある. 新たな知見や指針が専門家の間で共有されるだけでは不十分で, これらをいかに現場に還元し, プレーや指導に生かすかが重要である.