脳神経外科ジャーナル
Online ISSN : 2187-3100
Print ISSN : 0917-950X
ISSN-L : 0917-950X
原著
脳動脈瘤に対するステント留置による血行力学的効果
—多孔質媒体モデルを用いた数値流体力学 (CFD) による検討—
辻 正範石田 藤麿古川 和博三浦 洋一佐野 貴則芝 真人種村 浩梅田 靖之安田 竜太当麻 直樹霜坂 辰一鈴木 秀謙
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2017 年 26 巻 6 号 p. 444-451

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抄録

 ステント留置による脳動脈瘤内の血行力学的変化を, より短時間で数値流体力学を用いて解析するため, ステント領域を多孔質媒体でシミュレーションし, ステントセルの変化を多孔質媒体の密度変化に置換する手法を試みた. その結果, 動脈瘤の大きさにかかわらずステントセルが縮小するほど, 瘤内の血流低下とうっ滞が生じることが明らかになった. 一方, 血流の複雑性を示すパラメータはステントセルの縮小に伴い小型や中型動脈瘤ではいったん増加した後に減少したが, 大型動脈瘤ではさらにステントセルが縮小すると再増加した. Flow diverterの適応となる大型動脈瘤では, 小型や中型瘤と比べ, ステント留置後の血行力学的変化はより複雑であることが示唆された.

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© 2017 日本脳神経外科コングレス
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