2018 年 27 巻 1 号 p. 25-28
東日本大震災は過疎地域・超高齢社会に広域に甚大なる被害を与えた地震・津波・放射能の複合災害であり, 災害医療対応において救急救命医療だけではなく, 地域包括ケアの視点を組み込んだ医療対応が必要であるとの新たな課題を認識させられた. 東日本大震災での気仙沼市立病院における災害医療活動報告とともに, 今後起こりうる大規模災害医療における脳神経外科医の果たすべき役割として, 神経疾患患者の対応のみならず, 脳神経外科医の職務遂行能力 (competency) の高さから災害医療管理部門への積極的参加を期待する.