2018 年 27 巻 10 号 p. 764-772
過運動発作を呈する前頭葉てんかんに対し, 外科的切除を行った2例を報告する.
てんかん発症は5歳, 11歳で手術年齢はともに19歳であった. 発作はいずれも夜間睡眠時に多く, 突然うなり声を伴い, 体幹, 四肢を前後に揺する30秒前後の発作であった. MRIで帯状回前部もしくは眼窩前頭皮質に皮髄境界不明瞭部分を認め, FDG-PETで同部の代謝低下を認めた. 1例は頭蓋内脳波記録を経て皮質切除を行い, もう1例は頭蓋内脳波記録を省略して言語機能領域を温存した前頭葉切除を行った. ともに発作は消失し, 病理は皮質形成異常であった.
過運動発作を呈するてんかんは精神疾患と誤診されやすく, 診断にあたり留意すべきである.