2018 年 27 巻 5 号 p. 386-392
てんかんは発作だけでなく, 発作間欠期における認知機能障害や精神症状を伴う罹病期間の長い疾患であり, 生涯にわたってQOLが大きく損なわれる. 正しい診断・治療だけでなく人生のさまざまな局面に応じた適切な指導・助言を行っていくことが重要である. そのためには, てんかんの病態だけでなく, てんかんに関連する法・制度の理解が必要となる. てんかんについては, 自立支援医療, 手帳制度, 障害者支援区分認定, 障害年金, 障害者雇用制度などについて理解しておくとよい. 一方で, てんかん発作よる悲劇的な自動車事故は社会問題化している. 自動車運転に関連した法・制度は流動的であり, 運転免許制度に関する知識の更新を心がけたい.