脳神経外科ジャーナル
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症例報告
小脳橋角部類上皮腫の三叉神経痛に対しガンマナイフ治療が奏効した1例
中塚 雅雄木田 義久真砂 敦夫森 美雅
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2019 年 28 巻 1 号 p. 33-39

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抄録

 症例は53歳男性, 小脳橋角部類上皮腫. 開頭術により三叉神経痛の他, 顔面神経麻痺や小脳失調症状など著明に改善し軽度の三叉神経痛を残すのみとなっていた. 手術3年後, 腫瘍は再発し三叉神経痛は増悪した. 再手術を拒否され, 当院にて小脳橋角部腫瘍自体にガンマナイフ治療を施行した. 治療後三叉神経痛は劇的に改善し, 1カ月後には薬物不要, 無症状となった. ガンマナイフは直達手術と異なる機序で類上皮腫に生じている脳神経の過活動的機能障害を回復させる効果 (radiosurgical neuromodulation) をもつ可能性が示唆された. ガンマナイフは治療に苦慮する小脳橋角部類上皮腫に対し, 症状改善を目的とした治療法として有用である.

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© 2019 日本脳神経外科コングレス

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