皮膚の科学
Online ISSN : 1883-9614
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使用試験
尋常性ざ瘡患者を対象としたメーキャップ化粧品の使用試験
谷岡 未樹松永 佳世子秋田 浩孝片山 一朗乾 重樹石井 正光小林 裕美相場 節也菊地 克子石川 治永井 弥生照井 正高柳 たかね古江 増隆吹譯 紀子加藤 敦子山﨑 貞男宮地 良樹
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2011 年 10 巻 2 号 p. 170-182

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抄録

顔面に尋常性ざ瘡のある女性患者を対象に,低刺激性・低アレルギー性メーキャップ化粧品dプログラム®スムースアップファンデーション(パウダリー),スムースアップファンデーション(リキッド),スムースアップフェースパウダー(おしろい)の安全性を評価することを目的とする4週間の使用試験を実施した。解析対象例(85例)における副作用発現率はパウダリー2.1%,リキッド0%,おしろい0%で,副作用の症状は軽微であった。試験開始時と比較した終了時におけるざ瘡の炎症性皮疹(紅色丘疹,膿疱)および非炎症性皮疹(面皰)数は有意に減少した。Dermatology Life Quality Index を用いた生活の質の評価は「総合」「症状・感情」「レジャー」のスコアが有意に改善された。Visual Analogue Scal (VAS) による顔面の皮膚状態に関する満足度も有意に上昇した。以上の結果より,本試験試料の低刺激性・低アレルギー性メーキャップ化粧品は女性の尋常性ざ瘡患者が安全にかつざ瘡を悪化させることなく使用することができるだけでなく,生活の質を改善すると結論した。(皮膚の科学,10: 170-182, 2011)

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© 2011 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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