2019 年 28 巻 12 号 p. 768-776
近年の複数のランダム化比較試験により, 発症6時間以内, および発症6時間以降16ないし24時間までの特定の条件を満たす症例に対する血栓回収療法の有効性が確立した. 発症6時間以内の症例では, 単純CTとCT血管造影の組み合わせに代表される “brief imaging” に基づく迅速な治療開始が強調されている. 発症6時間以降では, 灌流画像のRAPIDによる解析を含む “multimodal imaging” により確立したエビデンスを, わが国の実臨床にいかに外挿するかが焦点となる. また, 病変性状に適さないデバイスは再開通治療の効果を減弱させるため, 血栓 (閉塞部位) 性状評価は重要であり, 今後の発展が待たれる.