2019 年 28 巻 8 号 p. 499-504
前庭神経鞘腫の定位放射線照射後の長期腫瘍制御率は90%を超える. ただし20%の症例で治療後2年以内に一過性膨大とそれに起因する症状が起こることは知っておく必要がある. 聴力温存の観点から早期治療介入は妥当と考える. また他の神経鞘腫に対しても症状改善の見地から早期介入は妥当といえる. 髄膜腫に定位放射線照射は有効であるが, 適切な治療介入時期については議論の余地がある. 定位放射線照射後の腫瘍制御に関連する因子として, 腫瘍サイズは神経鞘腫と髄膜腫のいずれにおいても重要である.