脳神経外科ジャーナル
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症例報告
悪性リンパ腫との鑑別を要した神経Sweet病の2例
東野 真志西原 賢在蘆田 典明橋本 公夫石原 美佐髙原 佳央里篠山 隆司甲村 英二細田 弘吉
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2020 年 29 巻 2 号 p. 119-124

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抄録

 神経Sweet病は典型的には皮膚病変の特徴や皮膚生検によって診断されることが多い疾患である. われわれは頭部MRIで, 周囲に浮腫を伴い, 造影される脳実質内斑状病変の1例と, 広範囲のleptomeningeal enhancementを呈した1例を経験した. いずれも皮膚病変を認めず, 脳原発悪性リンパ腫を疑って腫瘍摘出術と生検術を施行した. 両疾患ともにステロイドが著効し, 画像所見も似ることがある. 神経Sweet病はまれな疾患だが, 悪性リンパ腫が疑われる症例では鑑別診断として本疾患や血管炎などの炎症性疾患を挙げ, 疑わしい場合はヒト白血球抗原検査を施行するとよい. また, 手術に際してfluorescenceを用いたところ, 病変同定に有用であり, 併せて報告する.

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© 2020 日本脳神経外科コングレス
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