2020 年 29 巻 7 号 p. 486-494
脳機能部位近傍の手術の際には, 脳機能温存のために経時的に脳機能が確認できる術中電気生理学的モニタリングが必要である. 言語領域のモニタリング法として確立された手法はなく, 新たな手法として皮質-皮質間誘発電位 (cortico-cortical evoked potential : CCEP) について概説する. 単発電気刺激を皮質に行い, 遠隔の機能関連皮質から誘発電位が術中に記録でき, これを用いた背側言語白質路モニタリングが有用と考えられる. 補足運動野や腹側言語白質路の一部もCCEPを用いて術中に同定が可能であり, さらなる術中機能モニタリング法として今後の普及が期待される.