1994 年 3 巻 2 号 p. 128-134
頭蓋内椎骨脳底動脈の解離性動脈瘤50例を出血例と非出血例の2群に分類し,臨床的特徴,血管撮影所見および長期的転帰について検討した.年齢・性差では非出血例は若年男性に多く,解離部位は出血例では椎骨動脈に多いという特徴を認めた.また血管撮影所見の経時的変化では非出血例で血管の形状が改善する例が多い傾向を示した.長期的転帰は出血例ではくも膜下出血の重症度と相関した.外科的治療群では死亡例はわずか1例であり,また保存的治療群でも軽症例では全例転帰良好であった.また非出血例の長期的転帰は外科的治療群・保存的治療群ともに良好であった.