抄録
小脳橋角部腫瘍の摘出術時に,顔面神経を同定する種々の試みがなされてきたが,いずれの方法も筋弛緩薬投与下では困難である.一方,顕微鏡下に腫瘍の摘出を円滑に進めるためには,筋弛緩薬の持続投与が望ましい.そこで著者らは,3例のvestibular schwannomaで,筋弛緩薬の影響を受けずに顔面神経を同定する方法として,顔面神経誘発電位の応用を試みた.なお,顔面神経誘発電位は,Neuropack IV miniを用い,bipolar coagulation forcepsを介して顔面神経を双極刺激(stim rate 2Hz, duration 0.2 msec, intensity 0.2〜2 mA)し,顔面神経上の3カ所の記録電極から双極導出した(average 50, low cut filter 100 Hz, high cut filter 3 KHz).