脳神経外科ジャーナル
Online ISSN : 2187-3100
Print ISSN : 0917-950X
ISSN-L : 0917-950X
特集 良性脳腫瘍
頭蓋咽頭腫の病態理解と手術
後藤 剛夫大畑 裕紀森迫 拓貴
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2021 年 30 巻 1 号 p. 41-47

詳細
抄録

 頭蓋咽頭腫はウィリス動脈輪の内側に発生し, 視交叉下面, 視床下部に癒着しているため, 手術摘出が最も難しい腫瘍の1つである. また症例は比較的少なく1施設での経験数は少ない. 部分摘出と放射線照射によってこの疾患が安全に治療できるようになったとする報告もあるが, 長期成績は十分とはいえまい. 一方経鼻内視鏡手術の発展により腫瘍切除度, 手術安全度が向上したとする報告もあるが一方で長期成績はまだわからない. また下垂体機能温存に関しては経鼻手術を用いても達成は困難な状況である. この疾患の治療は現在も非常に難しいことを十分に理解して患者個々の条件に応じた最適な治療を選択する必要がある.

著者関連情報
© 2021 日本脳神経外科コングレス

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top