2021 年 30 巻 12 号 p. 852-856
脳ドック診療は1988年に本邦で始められた診療システムであり, 予防医学において重要な役割を果たしてきた. 日本脳神経外科学会のアンケート調査において本邦では脳神経外科医が脳ドック診療に深く関わっていることがわかった. 1997年初版の脳ドックのガイドラインは計5回の改訂が行われている. 脳ドックのガイドライン2019では脳卒中・認知症予防のための医学会というサブタイトルが付され, 脳卒中予防のみならず認知症予防も脳ドックの柱の1つとして据えられた. これに伴い従来の形態画像だけでなく機能画像や機能検査が注目されている. 本邦の脳ドック診療は新たな時代に入ったといえる.