脳神経外科ジャーナル
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原著
一次治療 (手術-放射線治療) 終了後の膠芽腫患者への短期集中リハビリテーションの効果と意義
松谷 雅生出口 誠喜多村 孝幸田畑 均岡村 大二郎山本 翔吾前田 健志加藤 百花
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2021 年 30 巻 12 号 p. 859-870

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抄録

 初発膠芽腫への一次治療後, 自宅での自立生活困難なKPS 60~30の16患者を対象に, 一次治療終了から補助化学療法に移行する無治療期間 (4~6週間) を利用した, 短期集中リハビリテーションの結果を報告する. リハビリテーション効果判定には, リハビリテーション治療で広く用いられている機能的自立度検査 (Functional Independence Measure : FIM) を用いた. 対象16例中13例 (81%) で有意な介助量の減少が得られた. そのうちの7例 (全体の44%) は家庭内生活自立 (KPS 70) を獲得し, 6例 (37%) ではKPS 60への改善が得られた. これらの13例における最大改善度獲得までの期間は入院後20~50日以内で, 10例 (77%) が30日 (ほぼ4週間) 以内, 残りの3例中1例も40日以内 (6週間以内) であった. 治療後に自立した家庭内生活を望む膠芽腫患者にとって, 放射線治療後から外来化学療法開始までの4~6週間を利用する本リハビリテーションプログラムは有益なものである.

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© 2021 日本脳神経外科コングレス

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