2021 年 30 巻 3 号 p. 199-207
1960年代初頭の導入時期を経て, 手術用顕微鏡は脳神経外科手術に必須の医療機器となった. 手術用顕微鏡が脳神経外科診療に多大な貢献をしたことは疑いの余地がないが, 医療機器として改善するべき点がないわけではない. 手術用顕微鏡には相当の物理的な体積と重量があるために, 手術の際に術者と患者の体位の相関関係にある一定の制限がかかってしまう. このような問題点を解決するべく神経外視鏡が開発され, 臨床現場に導入されはじめている. 本総説では神経外視鏡が手術用顕微鏡を凌駕する可能性について実際の症例提示を通して概説する.