脳神経外科ジャーナル
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症例報告
急性硬膜下血腫をきたした体外式膜型人工肺 (ECMO) 管理下の重症COVID-19の1例
山岡 寛人廣田 晋三輪 勇介室田 裕大石川 茉莉子伊藤 慧清川 樹里芳村 雅隆山本 信二
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2021 年 30 巻 8 号 p. 598-603

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抄録

 体外式膜型人工肺 (ECMO) 管理下で凝固能亢進をきたしたCOVID-19症例では強力な抗凝固療法を要し, 頭蓋内出血合併時はきわめて予後不良である. 今回手術で良好な転帰を得た症例を報告する. 60歳男性. COVID-19による呼吸不全と凝固能亢進に対しECMOを導入し強力な抗凝固療法を行っていた. 非外傷性急性硬膜下血腫のため瞳孔不同を呈した. 担当医と連携し, 手術適応や術式を検討, 極小開頭・血腫洗浄除去療法 (HITT) を施行した. 術後はヘパリン不使用下にECMO管理を行い, 90日後にはmRS 3の転帰を得た. また, 緊急事態であったが, 十分な感染対策を行い院内感染も防ぐことができた.

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© 2021 日本脳神経外科コングレス

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