2022 年 31 巻 1 号 p. 11-19
膠芽腫はいまだ生存期間中央値が約2年と悪性脳腫瘍の中で最も予後不良の疾患である. 膠芽腫の治療は大きく分けて手術, 放射線療法, 化学療法の3つに分けられる. 手術に関しては造影部位の全摘出が推奨されるが, 機能予後を十分考慮して摘出する必要がある. また, 化学療法はテモゾロミドとベバシズマブがあるが, ベバシズマブの投与時期, 投与方法についてはまだまだ議論の余地がある. 一方, 放射線治療については高齢者では短期照射が推奨され, 現在日本国内では医師主導試験が行われている. その他, 術中光線力学療法, novo-TTF, ウイルス療法など, 新しい治療法が登場している.