2018 年 23 巻 3 号 p. 71-75
現在,日本の動物園・水族館が主体となって調査・研究を行う機会は,それ程多くないと感じている。その理由としては,研究費や人手不足等様々な問題があるだろうが,最も大きな原因はノウハウが不足している,という点にあると思う。本稿では筆者が動物園で勤務しながら行ってきた次の五つの調査・研究活動の手法(①目的を持つ,②データを集める,③データを整理して方向付けする,④結果の意味を考える,⑤口頭発表・論文発表を行う)を紹介することで,将来動物園・水族館での調査・研究活動の活性化に寄与できればと期待している。動物園・水族館で調査・研究を行う事は,得られた知見を社会に還元する意義と共に,働く職員のスキルアップ,あるいは専門性を高めるためにも有益であると考える。今後多くの方々が積極的に調査・研究活動に取り組んで頂ければ幸いである。