2022 年 31 巻 12 号 p. 750-757
急性期脳梗塞に対する再開通療法として, 静注血栓溶解療法 (intravenous thrombolysis : IVT) と機械的血栓回収療法 (mechanical thrombectomy : MT) は標準的治療となったが, さらなる転帰改善を目指し, さまざまな取り組みが進んでいる. IVTではテネクテプラーゼの導入が進み, MTでは広範囲虚血領域を有する例や遠位中血管閉塞例を対象とした試験が進行中である. また, IVTとMTの併用療法, MTと神経保護薬の併用療法, MTを迅速に行うための診療体制についてもエビデンスが蓄積されている. これらの結果により, 再開通療法のさらなる進歩が期待される.