2022 年 31 巻 2 号 p. 81-86
未破裂脳動脈瘤診断に伴う治療方針決定の際には破裂高リスク状態の動脈瘤をいかに捉えるかが重要となるが, 動脈瘤の発生から破裂までの経時変化は多岐にわたり予測が難しい. 近年MRIを用いた血管壁イメージング (VWI) が普及し瘤壁造影効果の評価が可能となりその役割に注目が集まっている. VWIにおける瘤壁造影効果は2013年に破裂瘤の, 2014年には破裂リスクを伴う未破裂動脈瘤の特徴として初期の報告がなされ, その後これらを支持する多くの報告があり現在に至っている. VWIは瘤壁の炎症を画像化する新たなmodalityとして動脈瘤診断における有用性が期待されておりさらなるエビデンスの蓄積が求められる.