2022 年 31 巻 2 号 p. 98-106
フローダイバーター (FD) 治療の最大の 「功」 は再開通の克服である. 複数の臨床試験で高い根治性が示され, 治療適応は大きく拡がった. 新たなFDも導入され, 抗血栓性ポリマーコーティングされたPipeline Shieldは新たなブレイクスルーとなる可能性を秘めている.
一方, FD治療にはいくつかの 「罪」 も指摘される. 一つはFD留置後の不完全閉塞症例である. 多くの予測因子が報告されており, 高齢者, ドーム起始血管などは治療方針検討の際に重要視している. 周術期の虚血性合併症のみならず脳実質内出血などの予防のために, 抗血小板薬モニタリングはきわめて重要であり, プロトコールの標準化は喫緊の課題である.